東樹院は大栄山東樹院多聞寺と称し、本尊には不動明王尊を安置しております。武蔵小杉駅より、蔵前経由・中原行きバスで蔵前下車1分、白塀と朱色の瓦が鮮やかに映え、厄除山門が参詣の方々をお迎えします。
東樹院の創建は、室町時代(一四五八年)、武州の豪族、平氏の流れである石井源左衛門により、当時宮内にある毘沙門天(別名多聞天・寺号はこの多聞天に由来する)の社が見出されました。此処に堂宇を再建し、毘沙門園を祀り、一族の懇情に依り法印義範和尚が法灯を開いたのが端緒であるとされています。
その後、寛永年中に義範和尚の弟子である近江の法印尊義和尚がこの地方に訪れ、石井氏の菩提を弔い堂宇を建立し、不動明王尊を御本尊として勧請・安置したと云われております。